忘れがたい4月のこと
アメリカの山々に囲まれたユタに行く前に、
日本の山々に囲まれた山梨での公演がありました。
これがあってから、あめりかに行けて、よかったと思う。
「舞と笛」vol.8
室野井洋子さんとの公演。第一回目以来の野外。
前日入りし、敷地内をうろうろしていると雨が降ってきた。
当日は嵐らしい。事前の話では雨なら屋内ですることにしていた。
それでも、すっかり野外でやるつもりで現地入りしたので野外でやることに。
山荘に呼んで下さった主。前の日から入って、野草を摘みに行って、
お料理をして下さった方々。
なんだか皆さんで、どんどんいい場を創っていって下さった。
前夜の食事は野草のお料理。野草にはほんとに力がある。
和蝋燭と洋ロウソクをともし、自然と引き込まれていく和蝋燭に
「いいわねえ」などと言いながら見とれる。しかし誰かが「でもこっちもいいわよ」と皆の集注が洋ロウソクにいったとたん、そのこは大きく炎をあげた。かわいいなあ。
そして薪ストーブの前で前夜祭をする。
晴れていたら、富士山、鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、茅ヶ岳が望める場所。
「明野」あけの。日本で一番日照時間が長い土地。
黒谷和紙で創った紙衣(かみこ)を着て。
見えないけれど、鎮座している山々を思い、遠く東北の山々を思い、
まずは鬼剣舞の囃子を捧げる。
それから三曲。移動しながらも含め四ヶ所で吹く。
初めは屋根の下にいた聴き手の方も、だんだんと傘をさして外へ。
雨は降り続き、指の間を、唇を流れる。
冷たい雨にあたっているのに手はあたたかい(冬は冷え切る私の手がだ)
風はいろんな方向から来て、紙衣の袖はバサバサと音を立てる。笛に風が入る。
吹きづらさはない。
この有り難い場に、どうやったら乗れるか。
それだけを考えた。
そして、いかにしてこの曲を、吹き終えることができるか。
最後は息が止まるかと思いました・・。
三月四月の稽古のおかげ。
原点あって、コラボあり。先生の曰く。
それにしても篠笛ってやっぱり野外向きやなあ。